コーヒーの色々な話

今さら聞けない!サードウェーブコーヒーってなに!?

2014.05.23
今さら聞けない!サードウェーブコーヒーってなに!?
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サードウェーブコーヒー』つまりなんなの?

サードウェーブコーヒーとは、アメリカコーヒー文化の第3ムーブメントのこと。高品質の豆(スペシャルティコーヒー)を1杯ずつ丁寧にドリップしていく地域密着型のスタイルで人気を博しています。

このサードウェーブコーヒー、実は明確な定義があるわけではなく、『サードウェーブ的な特徴があればサードウェーブだよね』という使われ方をすることが多いのですが、その辺りも踏まえて『サードウェーブコーヒーとはなんなのか』を説明していきたいと思います。

でもその前に、サードウェーブ以前『ファーストウェーブ』と『セカンドウェーブ』について触れておきますね。

ファーストウェーブ

1960年代くらいまで。『大量生産・大量消費』の時代。品質よりも経済効率が優先され、結果としておいしくないコーヒーから人々は離れていきました。

コーヒー界の新たな変化『サードウェーブコーヒー』
『Coffee Beans』photo by Stirling Noyes

セカンドウェーブ

そういった低品質のコーヒーが嫌で、1970年頃から品質が重要視され始め、それまでとは違う品質重視のコーヒー豆を使うようになり、今ではシアトル系と言われているスターバックスなど大手コーヒーチェーンが深煎り豆で苦味の強いエスプレッソや、ミルクと合わせたカフェラテを売り出し、これが広く普及するようになりました。

コーヒー界の新たな変化『サードウェーブコーヒー』
『Eine Tasse Cappuccino』photo by Johannes Rost

そしてサードウェーブへ

ラテ・エスプレッソといったスタイルを世界中に広めた大手コーヒーチェーン。いつでもどこでも同じ味が楽しめるものの、マニュアル化されてしまったコーヒースタイルは面白くない!
そういった『アンチコーヒーチェーン』の概念から始まったのがサードウェーブコーヒーなんですね。

2000年代に入りスペシャルティコーヒーが普及し始め、コーヒー豆の品質が一気に押し上げられたことも大きな要因だと考えられます。

コーヒー界の新たな変化『サードウェーブコーヒー』
『Greg at Coffee Studio』photo by jakeliefer

サードウェーブの特徴

さて、ではサードウェーブコーヒーとはなんでしょう。
ここではその特徴を見ていきましょう。

特徴1:ダイレクトトレード

かつてのコーヒーは、生産者から国内の輸出会社→国外の輸入会社→消費国のコーヒー会社という流通が行われていました。これにより多額の中間マージンが発生し、最終的な生産者の利益では品質向上に目を向ける余裕がありませんでした。

そこで、生産者と直接やり取りをすることにより、中間マージンの発生を無くし、生活に余裕が生まれた生産者に品質管理に目を向けてもらうことにしました。

『当然品質が向上したコーヒー豆は今よりも高い価格で買い取るよ!』
『これでお互い幸せだね!』

これがダイレクトトレードの考え方です。

結果、話し合いを重ねながら品質向上の為の研究や対策が出来るようになりました。

コーヒー界の新たな変化『サードウェーブコーヒー』
『Sorting』photo by jakeliefer

特徴2:スペシャルティコーヒー

浅煎り豆をブレンドせずに単1種のみ使用し、ワインのように生産地・品種によって豆の持つ本来の個性を楽しめるスペシャルティコーヒー。この『シングルオリジン』のスタイルがサードウェーブの最も大きな特徴です。

世界中の農園が常にコーヒー豆の品質向上のための研究を続けており、これからも個性豊かな『シングルオリジン』たちはどんどん世の中に出てくることでしょう。

品質管理の問題からそもそも生産量が限られているうえに、その年の気候などにより同じ品質の豆が収穫できるわけではないので、毎年違った個性を楽しむことができるかもしれませんね。

コーヒー界の新たな変化『サードウェーブコーヒー』
『Ripe Cherries』photo by jakeliefer

特徴3:丁寧にハンドドリップ

業務用の大型コーヒーメーカーでまとめて抽出するのではなく、挽きたての新鮮な豆を1杯ずつハンドドリップで淹れてくれるのもサードウェーブの特徴です。これは、まとめてコーヒーを抽出してしまうと時間とともに劣化していくためです。何よりも酸味を重要視しているスペシャルティコーヒーにとっては致命的ですね。

コーヒーの旨みを丁寧に抽出することにより、より豆の個性が味わいやすくなります。

日本には元々喫茶店文化がありますので、マスターが1杯ずつ挽きたてのコーヒーを淹れてくれる風景には馴染みがあると思います。

また、カフェによっては色々な抽出方法『ペーパードリップ』『エスプレッソ』『サイフォン』『フレンチ・エアロプレス』『クレバードリッパー』などを選べるところもあります。

同じ豆でも抽出方法によってまた違った表情をみせてくれます。お気に入りの抽出方法を見つけるのもまたコーヒーの楽しみですね。

コーヒー界の新たな変化『サードウェーブコーヒー』

特徴4:地域密着型の経営スタイル

大規模展開せずに小規模のカフェ・ロースターとして運営しているのもサードウェーブの特徴です。もともと生産量に限りのあるうえに世界中で取引されているスペシャルティコーヒー。大規模展開しないというよりは、ロットの問題でできないのかもしれませんね。

コーヒー界の新たな変化『サードウェーブコーヒー』

この4つが、サードウェーブコーヒーの大きな特徴になります。

『サードウェーブ的な特徴』ってどういうこと?

最初に説明した通り、サードウェーブコーヒーには明確な定義がありません。

例えば『ダイレクトトレード
日本国内にサードウェーブコーヒーショップはたくさんありますが、その中で農園と直接取引をしているところは数える程でしょう。

次に『喫茶店との違い
日本には古くから喫茶店文化があり、その中には農園と直接取引(ダイレクトトレード)をしてスペシャルティコーヒー・カップオブエクセレンスなど高品質な豆を仕入れ、1杯ずつ丁寧にドリップし、かつ大規模展開せずに地域密着型の店舗もたくさんあります。

そういった喫茶店のオーナーに話を伺うと『うちはサードウェーブではない』という意見が多いです。

しかし、同じスタイルで開業したての個人経営カフェは間違いなく『サードウェーブ』です。

実際に、『現状の日本においては、喫茶店形式ではなくお洒落なカフェスタイルのコーヒーショップで、スペシャルティ・カップオブエクセレンスをハンドドリップで丁寧に淹れくれるコーヒーショップ(ロースター)』が『サードウェーブコーヒーショップ』として扱われていることが多いように思います。

どうしてこんなことになってしまったの?

サンフランシスコ発祥の『サードウェーブコーヒー』実はそのルーツは日本の喫茶店文化にあると言われています。

日本人の持つ『おもてなし』『勤勉さ』こういったものがカフェオーナーたちに評価され、アメリカのカフェ文化に組み込まれました、カフェを『ただコーヒを飲むところ』ではなく『人々の憩いの場に』それが『サードウェーブコーヒー』でもあります。

一度日本から出て行き、他国の文化に馴染んだものがまた日本に戻ってきたんですね。

古くからある喫茶店を『オールド・サードウェーブ』新しいカフェを『ニュー・サードウェーブ』とでも言うべきでしょうか。日本文化独特の曖昧さだとは思いますが、この『サードウェーブコーヒー』これからどうなっていくのか楽しみですね。

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